旗竿地はなぜ売れない?理由や売却のポイント・注意点を解説

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旗竿地はなぜ売れない?理由や売却のポイント・注意点を解説

旗竿地を相続したものの、なかなか売却できずに困っていませんか。

旗竿地は再建築不可のリスクや工事費の高さから敬遠されやすく、整形地に比べて売却が難航しやすい土地です。

しかし、売れない理由を正しく理解し、適切な対策を講じることで、スムーズな売却は十分に可能です。

この記事では、旗竿地が売れない7つの理由と、セットバックや買取などの具体的な売却方法を解説します。

評価額の計算方法や売却時期の見極め方、税金対策まで網羅していますので、旗竿地の売却を検討している方はぜひ参考にしてください。

旗竿地(はたざおち)とは

旗竿地とは、道路に接する細い通路部分(竿)と、その奥に広がる建物を建てる敷地部分(旗)から構成される土地のことです。上から見ると「旗を掲げた竿」のような形をしていることから、この名前がつけられました。

正方形や長方形などの整った「整形地」に対し、旗竿地のような特殊な形状の土地は「不整形地」に分類されます。

旗竿地には、整形地にはない独特の特性があります。

売却を検討する際は、以下のポイントを整理しておくことが重要です。

【メリット】

  • 割安な価格設定:土地価格が整形地の7〜8割程度と安価。
  • 静かな住環境:道路から離れているため、騒音が届きにくくプライバシーが守られる。
  • 税負担の軽減:評価額が低くなる傾向があるため、固定資産税が安く済む。

【デメリット】

  • 居住環境の制限:隣家に囲まれやすく、日当たりや風通しが悪くなりやすい。
  • 建築・工事コスト:通路が狭く重機が入りにくいため、工事費用が高額になるケースがある。
  • 資産価値の低さ:需要が限定的で、整形地に比べると資産価値が低く見積もられやすい。

これらの特性を正しく理解したうえで、ターゲットに合わせた売却戦略を立てることが、スムーズな取引のポイントとなります。

なぜ旗竿地ができるのか

旗竿地が生まれる背景には、建築基準法で定められた接道義務があります。建築基準法第43条では「建築物の敷地は、幅員4m以上の道路に2m以上接していなければならない」と規定されています。

広い土地を相続や開発で分割する際、単純に切り分けてしまうと道路に接しない土地ができてしまいます。そこで、すべての区画が接道義務を満たせるよう、幅2m以上の通路部分を設けることで旗竿地が発生するのです。

とくに土地の価格が高い都市部や住宅密集地では、限られた土地を有効活用するために旗竿地が多く見られます。

出典:e-Gov法令検索「建築基準法第43条」(https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC0000000201

旗竿地が売れない・売れにくいと言われる理由

旗竿地は整形地と比べて売却が難航しやすい傾向にあります。しかし、その理由を正しく理解することが、適切な対策を講じる第一歩です。

ここでは、旗竿地が敬遠される7つの理由を詳しく解説します。

再建築不可の場合があるから

旗竿地のなかでも、とくに売却が難しいのが「再建築不可物件」に該当するケースです。

これは、建築基準法が定める接道義務(原則として、敷地が幅員4m以上の道路に2m以上接していること)を満たしていない土地を指します。

旗竿地のなかには、建築基準法(1950年)の制定以前からの経緯などにより、現行の接道要件に適合しないもの(間口が2m未満など)が存在します。

こうした土地には、次のような制約が生じます。

  • 再建築ができない: 建物を解体すると、原則として新たに建て替え(新築)ができません。
  • 住宅ローンが利用しづらい:担保評価が低くなりやすく、買主が住宅ローンを組みにくいため、買い手が現金購入層に偏る傾向があります。

また、リフォームやリノベーション自体は可能な場合が多いものの、工事内容によっては建築確認手続きが必要になることがあります。

とくに、2025年4月の制度見直し(いわゆる4号特例の見直し)により、一定規模以上の改修では手続きや適合確認のハードルが上がり、結果として再建築不可物件の改修が進めにくくなる可能性があります。

出典:国土交通省「2025年4月(予定)から4号特例が変わります」(https://www.mlit.go.jp/common/001500388.pdf?utm_source=chatgpt.com

利用できる面積が少ないから

旗竿地の竿部分(通路)は土地面積には含まれますが、建物を建てることはできません。

そのため、土地全体の面積が広くても、実際に建物を建てられる旗部分が狭ければ、活用できるスペースが限られてしまいます。

たとえば100㎡の土地があっても、竿部分が30㎡を占めていれば、建物を建てられるのは70㎡のみです。駐車場や庭のスペースも旗部分に限定されるため、理想的な住環境を実現しにくくなります。

このようなデッドスペースの存在が、買主にとって大きなマイナス要因となるのです。

通路部分が他人名義の私道である可能性があるから

旗竿地の竿部分が複数の土地所有者で共有される私道だった場合、権利関係が複雑になります。私道の持ち分がなくても売却や建て替えは可能ですが、水道管の工事や道路の補修を行う際には、私道所有者全員の同意が必要です。

相続時の名義変更漏れなどで権利関係が不透明なケースでは、掘削同意が得られなかったり、通行料を請求されたりするトラブルのリスクがあります。

実際のトラブル事例としては、水道管の老朽化による交換工事が必要になった際、私道所有者の一人と連絡が取れず工事が停滞してしまったケースが挙げられます。

また、私道の舗装が傷んでいるにもかかわらず、補修費用の負担割合を巡って住民間で揉めた事例や、私道所有者が「通行料を払わなければ通行を認めない」と主張してくるといった、権利関係の複雑さが表面化するケースも少なくありません。

こうしたトラブルは、事前に私道負担や掘削承諾書の有無を確認することである程度防げます。売却前に私道の権利関係を明確にしておくことで、買主の不安を軽減できるでしょう。

買主はこうした煩雑な手続きや、将来的な所有者との関係悪化を懸念して購入をためらうことがあります。

工事コストが通常の土地より高くなりやすいから

旗竿地では、解体やリフォーム、新築時の工事費用が整形地よりも高額になる傾向があります。竿部分の間口が狭いと、重機やトラックが敷地内に入れないためです。

通常なら重機で一気に解体できる作業も、旗竿地では人の手で少しずつ壊していかなければなりません。建築資材も手運びで搬入することになり、近隣の駐車場を借りて資材を一時保管するケースもあります。

たとえば、一般的な木造住宅の解体費用は150万〜200万円程度ですが、旗竿地では人力作業が中心となるため300万〜400万円に膨らむこともあります。

新築工事でも、資材の搬入や足場の設置に追加費用がかかり、整形地より150万円以上高くなることは珍しくありません。

さらに、水道やガスなどのインフラ引き込みでも、道路から旗部分までの距離が長いほど配管工事費が増加します。

人件費や工事費の増加により、工事費用が数十万〜数百万円単位で上乗せされることも珍しくありません。このような事情から、予算の関係上、購入を見送る買主が多いのです。

日当たりや風通しが悪くなりやすいから

旗竿地は四方を隣家に囲まれた立地になりやすく、日当たりや風通しが悪くなる傾向があります。奥まった位置に建物があるため、周囲の建物に光が遮られ、日照時間が限られてしまうのです。

日当たりが悪いと洗濯物が乾きにくく、室内も暗くなりがちです。湿気がこもりやすくカビが発生しやすい、冬場は寒さが厳しいといった住み心地への悪影響も懸念されます。

暖房や照明の使用時間が長くなることで光熱費が増加する点も、買主にとってデメリットといえるでしょう。

銀行の担保評価が低く設定され住宅ローンを利用しにくいから

金融機関は旗竿地のような不整形地を「流動性が低い土地」とみなし、担保評価を低く設定します。整形地に比べて売却しにくく、万が一ローンが返済不能になった際に回収が困難だからです。

担保評価が低いと、物件価格に対して融資額が減額されてしまいます。買主は不足分を自己資金で補う必要があり、資金面でハードルが高くなります。

結果として、住宅ローンを利用する前提の購入希望者が購入を断念するケースが多いのです。

隣人とトラブルになりやすいから

旗竿地特有のトラブルとして、隣人との境界に関する問題が挙げられます。竿部分の境界が曖昧だったり、通路への幅寄せ駐車で後続車が通れなくなったり、敷地を無断で通行されたりといった事例があります。

話し合いで解決できればよいですが、関係が悪化すると私道の掘削同意が得られないなど、生活に支障をきたす事態に発展することもあります。

買主はこうした人間関係のリスクを考慮し、購入を控える傾向にあります。

売れやすい旗竿地・売れにくい旗竿地の違い

旗竿地だからといって、すべてが売れないわけではありません。条件次第では、整形地と同じようにスムーズに売却できるケースもあります。

所有している旗竿地がどちらに該当するか、確認してみましょう。

売れやすい旗竿地の特徴

売れやすい旗竿地には、以下のような特徴があります。

  • 間口が2.5m〜3m以上確保されている

車の出し入れがスムーズなだけでなく、重機が搬入しやすいため工事費用を抑えられます。一般的な乗用車の幅は1.7〜1.8m程度ですので、間口が3mあれば余裕を持って駐車できます。

  • 南向きや東向き

日当たりを確保しやすい南向きや東向きの区画であれば、旗竿地特有の採光の悩みも解消しやすくなります。また、旗部分の敷地が60㎡以上あれば、3LDK程度の住宅を建てることも可能で、ファミリー層の需要が期待できます。

  • 周辺環境の利便性がよい

駅や学校、病院が近い立地は需要が高まります。駅徒歩10分以内、小学校まで徒歩5分以内といった好立地であれば、旗竿地というデメリットを補って余りあるメリットとなります。

また、道路から奥まっているからこそのメリットも評価されます。通行人の視線や車の騒音が届きにくく、プライバシーが守られる点は、静かな住環境を求める層に需要があります。

とくに小さなお子さまのいる家庭では、玄関前が道路に面していない安全面が大きな加点要素となるほか、竿部分を駐車スペースとして活用することで、旗部分の庭を広く使えるといった利点もあるのです。

売れにくい旗竿地の特徴

売れにくい旗竿地の特徴は次のとおりです。

  • 間口が2mギリギリ、または2m未満で接道義務を満たしていない

このような旗竿地は、再建築不可となるリスクが高く敬遠されます。竿部分が長く旗部分までの距離が遠いと、利用できる面積が限られてしまいます。

  • 権利関係が不明確

たとえば「通路部分が他人名義の私道に接しており、権利関係が不明確」といった場合も、買主にとって大きな不安材料です。

また、一般的な理由として、周辺環境が悪かったり、日当たりがとくに悪い北向きの土地も売却が難航しやすいでしょう。

こうした条件に当てはまる旗竿地は、売却に工夫が必要です。

売れにくい旗竿地をスムーズに売却するには?

売れにくい旗竿地でも、適切な対策を講じることで売却の可能性を高めることができます。ここでは5つの具体的な方法を紹介します。

セットバックをして売却する

前面道路の幅員が4m未満の場合、敷地の一部を道路側に後退させるセットバックを行うことで、再建築が可能になります。これは建築基準法にもとづく法的な救済措置です。

具体的には、道路の中心線から2mの位置まで敷地を後退させる必要があります。

たとえば前面道路が3mの場合、道路中心から2mの位置まで50cm後退させることになります。向かい側にも建物がある場合は、双方が協力して後退することで、将来的に道路幅4mを確保する仕組みになっています。

セットバックにより接道義務を満たせば、買主は新たに建物を建てることができ、住宅ローンも組みやすくなります。ご自身の土地にセットバックが必要かどうかは、自治体の役所に問い合わせるか、不動産会社に調査を依頼して確認しましょう。

ただし、セットバックした部分は道路とみなされるため、建物や塀を建てられなくなり、実質的な有効敷地面積が減少する点には注意が必要です。

また、実施にあたっては測量費用や境界確定の費用として、30万〜130万円程度のコストがかかることも念頭に置いておきましょう。

出典:e-Gov法令検索「建築基準法 第42条2項」(https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000201

私道所有者と交渉する

竿部分が私道の場合、所有者と交渉して通行地役権を設定したり、私道の持ち分を買い取ったりすることで、買主の不安を払拭できます。

通行地役権とは、他人の土地を通行する権利を法的に確保する仕組みです。この権利を設定しておけば、将来的な通行トラブルのリスクを軽減できます。

可能であれば私道の持ち分を購入することで、権利関係を整理し、より売却しやすい状態にできるでしょう。交渉は不動産会社や司法書士に相談しながら進めることをおすすめします。

日当たりや風通しの問題をクリアできる建築プランを提案する

日当たりや風通しの悪さは、設計の工夫次第でカバーできます。天窓や吹き抜け、高窓を設置することで上部から光を取り込んだり、リビングを2階に配置して採光を確保したりする方法があります。

こうした建築プランを具体的に提案することで、買主は「この土地でも快適に暮らせる」とイメージしやすくなります。旗竿地の売却実績が豊富な不動産会社であれば、建築プランつきで提案してくれることもあります。

買主の不安を先回りして解消することが、成約への近道です。

近隣住民に売却する

隣地の所有者に旗竿地を売却することで、双方にメリットが生まれる場合があります。隣地の所有者にとっては、旗竿地を購入することで土地が整形化され、敷地面積も広がります。

資産価値の向上や、増築スペースの確保、駐車場の追加といった活用の幅が広がるため、相場よりも高値で売却できる可能性があるのです。

打診してみなければ相手の意向はわかりませんが「隣の土地は借金してでも買え」という言葉があるように、隣接地の取引は得られるメリットが大きいといえます。

売買契約の際は、不動産会社に測量や登記のサポートを依頼しましょう。

不動産業者に買取を依頼する

仲介で買主を探しても見つからない場合は、不動産会社による買取も選択肢のひとつです。買取であれば買主を探す必要がなく、最短数日で現金化できます。

買取の最大のメリットは、スピードと確実性です。

仲介では平均3〜6か月かかる売却期間が、買取なら査定から現金化まで1週間~1か月程度で完了します。内覧の対応も不要で、売却活動のストレスから解放されます。

ただし、買取価格は市場価格の7〜8割程度になることが一般的です。不動産会社は買い取った物件をリフォームして再販するため、その利益分を差し引いた価格での買取となります。

それでも、確実に手放せる安心感や、仲介手数料がかからない点を考慮すれば、メリットは十分にあるといえるでしょう。

不動産会社を選ぶ際は、地域で長く営業しており、複雑な権利関係にも精通している会社を探すと安心です。とくに、旗竿地のような訳あり物件の買取実績がある不動産会社であれば、スピーディかつ確実に売却を進められます。

急いで現金化したい、確実に手放したいという方には買取がおすすめです。

旗竿地を売却する際の注意点

旗竿地を売却する際には、いくつか注意すべきポイントがあります。誤った判断が売却の妨げになることもあるため、事前に確認しておきましょう。

売却に適した時期を見極める

旗竿地の売却には、タイミングも重要な要素です。不動産市場は季節によって需要に波があり、一般的に春(2月〜3月)と秋(9月〜10月)が最も活発な時期とされています。新年度や転勤シーズンに合わせて住み替えを検討する人が多いためです。

また、金利動向も見逃せません。住宅ローン金利が低い時期は買主にとって購入しやすく、売却がスムーズに進む傾向があります。逆に金利が上昇局面にある場合は、早めの売却を検討するのも一つの戦略です。

さらに、2024年以降は相続登記の義務化により、相続した旗竿地を手放す動きが活発化しています。市場に同様の物件が増える前に売却することで、競争を避けられる可能性があります。

ただし、焦って安値で手放すのは避け、適正価格での売却を目指しましょう。

家は解体せずに売り出す

旗竿地を売却する際、建物は解体せずに「古家付き」の戸建てとして売り出すことをおすすめします。

まず、更地にすると固定資産税の住宅用地特例が適用されなくなります。この特例により、200㎡までの小規模住宅用地は固定資産税が6分の1に軽減されていますが、建物を取り壊すとこの特例から外れ、解体のタイミングによっては翌年からの税額が最大6倍に跳ね上がるためです。

さらに、間口が2m未満の再建築不可物件では、一度解体してしまうと原則として建物を建て替え(新築)できない土地になってしまいます。土地の価値が大きく下がるおそれがあるため、解体は避けたほうがよいでしょう。

加えて、2023年12月施行の改正空家対策特別措置法により、管理が不十分な空き家は「管理不全空家」に指定されるリスクがあります。自治体から勧告を受けると更地同様に住宅用地特例から除外されるため、売却期間中も適切な管理を継続することが重要です。

出典:東京都主税局「固定資産税・都市計画税(住宅用地の特例措置)」(https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/shitsumon/tozei/index_o.html

出典:国土交通省「固定資産税等の住宅用地特例に係る空き家対策上の措置」(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001712029.pdf

住み替えをする場合は買い先行を選ぶ

旗竿地を売却して住み替えをするなら、先に新居を購入してから売却する買い先行がおすすめです。

売り先行では、居住中の状態で内覧を受けることになり、家具で部屋が狭く見えたり、買主が収納の中まで確認しづらかったりします。一方、買い先行で空き家にしてから売り出せば、買主は隅々まで内覧でき、日当たりの悪さも家具がないことでカバーできます。

旗竿地は売却期間が長引きやすい傾向があるため、焦らずに買主を待てる買い先行が有利です。

賃貸も視野に入れておく

立地条件が良い旗竿地であれば、売却ではなく賃貸として活用する選択肢もあります。駅や学校、病院に近いエリアでは、戸建て賃貸の需要が期待できます。

戸建て賃貸は、個室を複数確保できる、ペットを飼育できる、駐車場がある、隣人の騒音を気にしなくてよい、といったアパートにはないメリットがあります。旗竿地ならではの静かな環境も、ファミリー層に評価されるでしょう。

賃貸として安定した家賃収入を得られれば、売却するよりも長期的な収益化が見込める場合もあります。地元の賃貸に強い不動産会社に相談して、需要を確認してみましょう。

旗竿地の評価額を把握する方法

旗竿地の評価額を知ることは、適正な売却価格を設定するうえで重要です。

ここでは、国税庁の路線価を用いた計算方法を紹介します。

路線価を用いた3つの計算方法

旗竿地の評価額は、路線価(道路に面した土地の1㎡あたりの価格)に各種補正率を掛けて算出します。計算方法は主に3つあり、土地の状況に応じて使い分けます。

基本的な考え方は、旗竿地が整形地に比べて活用しにくい分、評価額を割り引くというものです。奥行きの長さ、間口の狭さ、不整形な形状といった要素が減価の対象となります。

路線価は国税庁のホームページで毎年1月1日時点のデータが公開されているため、誰でも確認できます。

出典:国税庁「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」(https://www.rosenka.nta.go.jp/

道路からの奥行き分を割り引く方法

まず、竿部分の長さ(奥行き)に応じて評価額を減価する方法です。計算式は次のとおりです。

評価額=路線価×奥行価格補正率×面積

奥行価格補正率は、竿の長さによって以下のように定められています。

  • 4m未満:0.90
  • 4m~8m未満:0.92~0.98
  • 8m以上:段階的に減少

奥行きが長いほど補正率が低くなり、評価額が下がる仕組みです。

出典:国税庁「奥行価格補正率表」(https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/sisan/hyoka_new/02/07.htm

間口と奥行き分を割り引く方法

次は、間口が狭く奥行きが長い旗竿地に適用される「間口狭小補正率」と「奥行長大補正率」を使った計算式を紹介します。

評価額=路線価×間口狭小補正率×奥行長大補正率×面積

間口狭小補正率は、間口の幅によって次のように設定されています。

  • 4m未満:0.90
  • 4m~6m未満:0.94
  • 6m~8m未満:0.97
  • 8m以上:1.0

二重の割引が適用されるため、評価額は大幅に下がります。

出典:国税庁「間口狭小補正率表」(https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/sisan/hyoka_new/02/07.htm

不整形地として割り引く方法

最後に、旗竿地を不整形地として評価する方法です。想定整形地(旗竿地を四角形に整えた場合の土地)との面積差をもとに、かげ地割合を算出して減価します。

評価額=路線価×面積×不整形地補正率

不整形地補正率は、かげ地割合と地積によって決まります。たとえば、かげ地割合が30%で地積が500㎡未満の場合、補正率は0.90です。

具体例を見てみましょう。

  • 路線価:30万円
  • 実際の旗竿地の面積:100㎡
  • 想定整形地:120㎡

この場合、かげ地割合は(120㎡-100㎡)÷120㎡=約16.7%となります。500㎡未満の土地でこの割合に該当する場合、不整形地補正率は0.96です。したがって評価額は、30万円×100㎡×0.96=2,880万円となります。

この方法は計算が複雑なため、不動産会社に査定を依頼するのが確実です。

出典:国税庁「不整形地補正率表」(https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/sisan/hyoka_new/02/07.htm

不動産会社に査定を依頼する方法も

路線価を用いた計算はあくまで目安であり、実際の市場価格とは異なる場合があります。

不動産会社に訪問査定を依頼すれば、周辺の成約事例やリフォーム需要、立地条件などを加味した現実的な価格を提示してもらえます。

訪問査定では、実際に現地を確認して、日当たりの状態、周辺環境、建物の状態、竿部分の使い勝手などを総合的に判断します。同じ旗竿地でも、駅からの距離や周辺施設の充実度によって、価格は大きく変動するのです。

また、最近では旗竿地をリノベーションして住みたいという需要も増えています。デザイナーズ住宅として付加価値をつけられる可能性があれば、路線価による評価額よりも高く売れることもあります。

旗竿地の売却実績が豊富な不動産会社であれば、より正確な査定が期待できるでしょう。複数の会社に査定を依頼して比較することで、適正な売却価格を見極められます。

査定は無料で行っている会社がほとんどのため、まずは気軽に相談してみることをおすすめします。

旗竿地の売却後にかかる税金

売却後にかかる税金についても理解しておきましょう。

不動産を売却して利益が出た場合、その利益(譲渡所得)に対して譲渡所得税が課税されます。譲渡所得税は、売却価格から取得費や譲渡費用を差し引いて計算します。

税率は、所有期間によって異なります。

  • 所有期間が5年以下の場合:短期譲渡所得として約39%
  • 所有期間が5年超の場合:長期譲渡所得として約20%

ただし、マイホームを売却した場合は3,000万円の特別控除が受けられるケースもあります。可能であれば、事前に税理士へ相談することをおすすめします。

また、売却によって利益が出なかった場合でも、確定申告をすることでほかの所得と損益通算できる場合があります。

税金面での損をしないよう、専門家のアドバイスを受けながら進めましょう。

まとめ

旗竿地は再建築不可のリスク、工事コストの増加、私道の権利問題、日当たりの悪さなどから売却が難しいとされています。しかし、セットバックや私道交渉、建築プラン提案、近隣住民への売却、買取といった方法を活用すれば、スムーズな売却は十分に可能です。

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