事故物件でも気にしない?避けるべきとされる理由とは
「事故物件でもあまり気にしないのだけど、やっぱり避けた方がいいのだろうか」と、お考えではありませんか?
事故物件に対するイメージは人それぞれであり、なかには気にならない人もいます。しかしそうした人が住むことを検討したとき、気になるのが「事故物件を敬遠する気持ち以外に、何か問題があるのか」という点ではないでしょうか。
そこで「そもそも事故物件のデメリットは自分にとっても当てはまるのか」や「実際に事故物件に住むとどうなるのか」など、事実を見ていきながら考えてみましょう。
事故物件は避けるべきとされる理由
事故物件に明確な定義はありませんが、国土交通省の「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」では「自殺や他殺による死のほか、特殊清掃が必要になる死が発生した物件のこと」と記載されています。
不動産用語では「心理的瑕疵」と呼ばれることが多いです。心理的瑕疵がある物件は、なぜ避けるべきとされているのでしょうか。
怪奇現象が起きる可能性があるため
事故物件で怪奇現象に見舞われる体験談はよく見かけます。
しかし事故物件と知って住む場合は「ここで人が亡くなったんだ」と思いながら過ごすことになるので、ちょっとした音や、物がたまたま落ちただけでも幽霊と結びつけてしまうのかもしれません。
体調不良を起こす可能性があるため
事故物件だと気にしながら過ごしていると、些細なことが気になって精神的な疲れが体調面に表れてしまうケースが多いです。
事故物件とはいえ、賃貸物件として貸し出せるということは、クリーニングも完璧で見た目ではまったくわからない状態となっているでしょう。もし事故物件だとわかって住むとしても、キレイになっている部屋に対してあれこれ悩んでしまうのはもったいないでしょう。
事故物件だから避けるべきではなく、事故物件であることが気持ちとして引っかかってしまい、気に病んでしまうようであれば避けた方がよいといえます。
不可解な事故が起こる可能性があるため
怪奇現象と似ていますが、不可解な事故が起こる確率はゼロではありません。
物音や不審な影などに気を取られて、階段を踏み外してしまう、料理中に火傷を負ってしまうなどの事故が発生する可能性もあります。
隣人とトラブルになる可能性があるため
事故物件であることを隣人も把握していて、気になって精神的に不安定になっている場合、トラブルが起こる可能性はないといえません。
しかしそもそも隣人が事故物件であることを知っているかはわかりません。知っていたとして、お隣さんが事故物件であることを気にする隣人かは運の部分もあります。
神経質な人であれば、たとえ事故物件ではなかったとしてもほかのことでトラブルになっている可能性があります。一概に事故物件だけのせいにはできないでしょう。
事故物件に住んだことのある芸能人
多くの芸能人が事故物件に住んだ体験を公表していますが、なかでも有名な3人を紹介します。
松原タニシ
松原タニシさんは「事故物件住みます芸人」として活動しています。名前のとおり事故物件に1番精通している芸能人ではないでしょうか。
2018年には「事故物件怪談恐い間取り」という本まで出版しており、映画化までされています。映画は興行収入22億円超え、ホラー映画としては異例の大ヒットを記録しています。
著書には事故物件で起こった不思議な体験談が書かれていますが、怖さをあおるような怪談話ではありません。松原タニシさん自身も騒いでただ怖がるのではなく、なぜ起こるのかということを現実的に考えていく姿勢があります。
事故物件で亡くなった人の人生を追ったり、事故物件に住んだりすることで精神的に強くなって死生観が変わったそうです。松原タニシさんのインタビューや本を読むと、事故物件への考え方が変わるかもしれません。
城田優
城田優さんはいわずとしれたイケメン俳優ですが、以前テレビ番組で事故物件を内見した話をされています。
インターネットで条件がよく家賃も安い物件を見つけたので内見に行くと、実物もよくて決定しようとしました。しかし蛇口に触れてないのにキッチンの水道から水が勝手に出てきて不気味に感じ、その後友人と電話していたら城田は笑っていないのに友人から「電話越しで2度ほど笑い声が聞こえた」と言われ、その物件を借りるのはやめたという話です。
不思議な体験をされた城田優さんですが、事故物件に触れたからといって特段悪い影響があったわけでもなく、テレビや舞台を中心に華々しい活躍をされています。
ライセンス藤原
お笑いコンビ・ライセンスの藤原さんは、大阪に出てきたばかりのときに事故物件に住んだことがあると告白しています。
非常にキレイで好条件な物件を見つけたので喜んで住んでみたら、雑誌がひとりでにめくれたり真夜中にテレビがついたり、シャワーが勝手に出てきたりと怪奇現象が起きたそうです。
藤原さんは慌てて引っ越すことを決めて管理人に一連の出来事を話すと、管理人は上の階に住んでいた女性がライセンス藤原さんのベランダに落ちて亡くなったことがあると教えてくれたとのことです。キレイで気に入っていただけに、もったいない話ではありますね。
事故物件に住むデメリットとメリット
事故物件に興味ある人も一定数いて、最近ではあえて事故物件に住んでみたいという人もいます。しかし事故物件にはメリット・デメリットとどちらも存在します。
デメリット
事故物件で怪奇現象が起きないとは100%言い切れません。家は本来リラックスできる場所ですが、怪奇現象などに怯えて常に緊張感を強いられる場合はあります。
また万が一怪奇現象が起きたり、精神的に疲労するようなことがあれば引っ越ししなくてはならず、費用や手間が発生してしまいます。
しかし怪奇現象は精神面といった部分は、やはり個々の性格やとらえかたによって違いがあります。怪奇現象が起きてもなんとも感じない、気が付かない人もいるかもしれません。
また1人暮らしか同棲、シェアハウスなど誰と住んでいるかでも変わってきます。一緒に住む人がまったく気にならないといえば、同じように気にならなくなるということもあるでしょう。
メリット
事故物件は、周辺物件より家賃が安く設定されていることが多いです。しかし家賃の恩恵を受けるにはそれなりに長く住まないと意味がありません。
事故物件か否かに関わらず「嫌なことがあったから」と引っ越してしまっては、安い部屋に住んでも高くついてしまいます。事故物件というのはあくまで1つの要素でしかありません。
物件選びにはそれぞれ譲れない条件があるでしょう。条件を基に選んだ物件は、自分の望んでいた条件がある程度揃っているはずです。事故物件ということだけに目を向けず、設備や条件を総合的に考える必要があります。
あえて事故物件を物件探しの条件に挙げる人はかなり稀でしょう。1つ1つの条件をきちんと整理し、考えていてわからなくなったら人にも相談しながら、冷静に判断するのが大切です。
まとめ
事故物件は意外に身近にあり、気に入った物件が事故物件である可能性もあります。
自分の望む条件を満たす物件がせっかく見つかったのに、事故物件であるだけでまた1から探すというのはもったいないことです。どうしても避けたいのであれば、最初から不動産に伝えておくのも手です。
事故物件のなかでも心理的瑕疵のある物件は、怪奇現象を信じない、あるいは気にならない人であれば問題はないでしょう。事故物件のメリットとデメリットをしっかり把握して、自分に合った判断をしましょう。